ミラドライブログ

2018.11.30更新

ミラドライによるチチガ治療を始めて、予想以上にチチガでお悩みの方が多いことに気付きました。

私のブログ記事で、チチガ治療についてかいたところ反響が多かったので、また、チチガについて書こうと、ネット上でチチガのことを検索していました。

 

チチガ治療では、圧倒的に、ビューホットの記事が多いのですが、今日は、ショッキングな写真が掲載されている、更紗さんのブログを見つけました。更紗さんに無断で記事を転用させていただきますことご了承ください。


https://ameblo.jp/sarasasuhada/entry-12414436687.html


施術受けて2週間後です。

更紗さんは、90万円も出して、ワキと、すそと、胸のビューホット治療をお受けになったそうです。

 

一般的な話

手術受けて2週間たつとかなり落ち着いてきます。

ワキガの剪除法でも、落ち着いてきています。

ミラドライだったら、見た目わからなくなっている時期です。

 

それにしてもひどい

間違ってるかもしれませんが、毛嚢炎を生じています。

うみ もぷつぷつとあるように見えます。

この状態でもステロイド軟こうを塗り続けたとしたら・・・・・・

 

この予兆はすでにあり、6日目の写真で、針あとか、毛嚢の部分で炎症を生じています。

 

記事にもありますが、白くぶつぶつしているところもあるとのことなので、膿瘍、うみがたまってるのです。

このような状況でステロイドを塗ると悪化するので、術後のケアが適切ではないと思います。

 

こんなぶつぶつが胸にもできていると思うと、しかも、乳輪より外の皮膚にもキズがたくさんできてるのではないですか?

 

しかも更紗さんは、2か月近くたった今でも、ひどい状態です。

 

こんな治療結果が出たら、私だったらその治療は二度と行いません。

どんなに自信があって治療していても、お蔵入りにさせます。

 

でも、えてして、こういうクリニックは治療結果を患者のせいにします。

患者が常に悪者になるのです。

更紗さんの場合はクリニックに問い合わせして、その指示の通りにしているのですから、おかしな話なのですが。

 

カウンセラーとか、看護師にまかせているクリニックはだめです。

合併症がない治療はないから、何かあったら医師が対応すべきです。

 

治療を受けるときには、

治療効果だけを鵜呑みにしないで、

宣伝のような結果に騙されないで、

何かあった時にも適切に対応してくれるクリニックを選びましょう!

 

90万円も出してこの結果はないと思います。

 

 

こんなこと書いてしまったから、このブログは炎上するかもしれませんね。

 

でも、

 

”やっぱり、ビューホットでチチガ治療を受けてはいけません。”

という、怒りの気持ちがふつふつとわいてきて抑えられません。

 

ビューホットはキズを作らない治療ですか?

針をブスブス刺して行う治療がキズができないってことが理解できません。

 

こういった経験をお持ちの方もたくさんいらっしゃると思います。

 

ご意見をいただけますでしょうか?

 

ビューホットの治療について

効果も含めて検証していきたいと思ってます。

 

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投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.27更新

今回はミラドライ治療の効果について、治療方法の工夫について解説します。

 

ミラドライなどの器械が行う治療は誰が治療しても同じでしょうか?

 

治療方法の工夫

 

 

これは、他院でミラドライを受けても効果がなかったので、私のクリニックに来られた方です。

私は、手術後など、ほかの治療をお受けになった方の再施術の時は、全員に発汗テストという、このように汗をかくと青紫に変色するヨードデンプン反応をしていただいて、客観的に汗をかいているところを調べてからミラドライを行っています。

 

青紫色に染まっているところが汗をかいているところです。ということは治療効果があれば、青紫色に染まらないということです。

 

この患者さんは、どこを治療したのかわからないぐらい広い範囲で青紫になって、汗をかいているのがわかります。

 

同じミラドライの治療といっても、こういった、全く効果がないといえる治療を受けているケースもあるのです。

 

治療する範囲も広めに行う必要があります。

私は女性でも一番サイズの大きい140x80というサイズで治療していますし、男性ではそれ以上のサイズを自分でデザインを追加して広範囲に行っています。

 

私のクリニックでは、プレミアムミラドライという、広範囲に重ね打ち(ダブル照射、2パス治療)を行うミラドライ治療があります。

なぜ重ね打ちしたほうが良いかは、以前の記事を読んでください。

 

このプレミアムミラドライという治療方法は、治療結果に自信があるので治療保証を付けています。

 

でも、ごくまれに再治療をご希望されて来られる方がいますので発汗テストをします。

発汗テスト

 

すると、わきの下の方だけ汗をかいていました。

でも、それ以外の場所は汗をかいていません。

 

初回の照射範囲と比較してみたところ、照射範囲を超えて汗をかいていたことがわかりました。

すなわち、ここまでと思っていたところより広く汗をかいていたのです。

 

でも、ミラドライを照射したところは100%汗をかかなくなっていたことが証明されてほっとしました。

 

ということで、私のプレミアム治療はとても効果があることが実証されてるのですが、この患者さんのように、予想を超えて広範囲に汗をかいていることもあります。

 

だから、術前に発汗テストを行って汗をかいている範囲を同定してから治療しないとダメなのかな・・・・とも感じています。

 

 

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投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.22更新

今回も、子供のワキガ治療について考えていきましょう。

 

子供がワキガかどうかは臭いで判断するのがベストですが、なかなかわかり辛いところもあると思います。

 

1.耳アカが湿っている

2.父か母のどちらかがワキガである

3.父か母のどちらかの耳アカが湿っている

4.汗で脇の部分が黄ばむ

 

私の研究では、耳アカが湿っている人はワキガです。

正確には”ワキガ体質”です。

これについても、後に解説する予定ですが、ワキガの人と、ワキガではない人ではアポクリン細胞を持っている数が違います。

だから、耳アカが湿っている人は”ワキガ体質”なのです。

 

では、もし、子供がワキガだったらどうしましょう!

 

すぐに手術しますか?

 

いいえ、すぐに手術とか、ボトックスとか治療を考えるのはやめましょう!

 

まずは、お子さんのワキガの程度を調べましょう!

 

ワキガで困っていることは何ですか?

汗ですか?

臭いですか?

黄ばみですか?

 

汗は運動すればかくものなので、汗をかくということは異常ではないどころか、運動して汗をかくことは健康的なことです。特に子供は代謝が良いので、すぐに汗をかきます。だから、汗をかくのは気にしない方が良いと思っています。

 

やっぱり、ワキガは臭いの病気なので、

 

くさいのがダメなのです。

 

でも、あまり神経質にならずに、まずは、毎朝入浴(シャワー)させて、塩化アルミニウムの制汗剤を塗って登校させましょう。

それで、ある程度おさえられるのならば、服を消臭などしてケアしてあげたらよいでしょう。

 

それでも気になるなら、治療を考えましょう。

 

ボトックス治療が最初の治療としてお勧めです。

最近、保険で治療ができるようになり、都内であれば、15歳未満、自己負担なく治療がお受けになれます。

ボトックスはボツリヌス毒素の働きで、注射をした皮膚の汗をかかなくなります。

効果はてきめんで、2〜3日で効果が実感できます。

全くといっていいほど汗をかかなくなるので、多汗症の方でなくても、毎夏にボトックスをお受けになる方もいます。

 

ですから、第1選択としてボトックスをお勧めします。

 

でも、毎年注射をするのが嫌だったり、根本的な治療を希望するのであれば、ミラドライ 治療をお勧めします。

 

手術を選んでは絶対にダメです。

保険診療でできる剪除法はキズ跡が残ります。

剪除法のキズは結構目立ちます。

大人なら気にしないかもしれませんが、子供は気にしてしまうでしょう。

 

よく、ミラドライ を子供にしても再発するでしょう!

といわれますが

私の考えでは

 

再発しません。

大人の治療と同じです。

 

もし、まだワキ毛が生えていなかったら、毛も生えていないのにと、毛が生えてからの治療を勧められると思いますが、この根拠はなんでしょう?

多分、”アポクリン腺が毛穴から出てくるから”という理由だと思います。

 

医師でも勘違いしていることが多いですが、毛の発育と、汗の細胞の発育は全く別物です。

組織が違うから当然と言えば当然ですが、第2次成長が始まると性ホルモンが活発に分泌されるようになります。

その作用によって、毛根が活性化されて毛が生えてくるのですが、汗の組織は違います。

 

汗の組織、エクリン細胞も、アポクリン細胞も生まれつき存在しています。アポクリン細胞は性ホルモンの働きによって活動を始めるだけなので、組織は既に存在しているのです。

だから、毛が生えていなくても、第2次成長が始まれば、アポクリンの汗はかき始めます。

 

私は子供でも、大人と同じ範囲を想定してミラドライ 照射を行なっています。

毛が生えていないところでも、すでに汗の細胞は十分存在しています。

毛が生える範囲は成長とともに広がるから、今、毛が生えているところだけではだめだと考えています。

 

だから、再発しない、十分な効果が続くと考えています。

 

ただし、これは、あくまでも私の個人的な見解なので、それを実証する必要があります。

 

ミラドライ治療をしたお子さんが18歳になるまで経過を追ってみていく必要があると思っています。

 

 

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投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.19更新

子供のワキガ・・・・子供でも臭います。

 

子供のワキガについてもよく相談をうけます。

なかには、ご家族が気にしすぎている方もいらっしゃいますが、診察してみると、しっかりワキガ臭がする方がほとんどです。

 

ワキガはアポクリンという汗の細胞の働きによって生じる病気です。

このアポクリン腺の働きが、思春期、第2次性徴になると活発になってくるので、臭うようになってきます。

 

では、治療はどうしたらよいでしょう?

 

子供の治療ですから、いろんな意味で傷つけない治療にしましょう。

いろんな意味というのは、精神面も含めてです。

思春期というのは、何かと傷つきやすい、繊細な心を持っているときです。

本人が悩んでいたら問題なく治療を勧められますが、そうでないときは、それを本人にうまく伝えられるかが問題です。

 

子供を思う親の気持ちは十分わかってるつもりです。

お子様が、ワキガという病気を理解しているのならば治療して全く問題ありません。

どうしてこんなことを言うのかといえば、子供を心配するがあまり、半ば、だまして治療を行おうとする親御様がいらっしゃるからです。

 

当院にも、9歳で、他院でミラドライ治療を受けて術後1か月目に治療した場所が赤く腫れてきて、心配で来られた患者さんがいます。

どうみても、まだ2次性徴が始まっているようには見えません。

しかも、この男の子は、自分がどんな治療を受けたかは全く分かっていません。

親御さんが、気にしすぎて治療を受けさせたのです。

 

治療に完全もなければ、合併症がない治療もありません。

治療には痛みもつきものです。

 

ですから、治療について理解をしていただけない限り、私は治療を行うべきではないと考えていますし、私は治療しません。

 

もちろん、ミラドライは効果的だし、合併症の経験はありません。

でも、だからといって、自分の状態を理解しないで治療は受けさせるべきではないと思っています。

おこさまが、

  ”俺はワキガじゃない”

  ”そんな治療は受けたくない”

というのを無理に説き伏せて治療するのでなければいいと思います。

 

やんわりと、

  ”わきがちょっと臭うし、嫌われるかもしれないよ。”

  ”ちょっと臭うから治療した方がいいと思うよ”

 

などといって、病気をうまく説明してあげることができて、治療する気にさせればよいと思います。

 

ただし、まだ成長期なので、成長する過程でまた臭うようになるかもしれません。

でも、今の状態が良くなるのだから、治療する意味はあると思っています。

 

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たとえば、あざのレーザー治療でも、太田母斑という思春期に濃くなるあざがあって、昔は、思春期になるまで治療を行わなかっていませんでした。

でも、たとえ思春期に濃くなっても、あざの顔で青春を暮らすより、またあざが出ればその時に治療すればいいでしょ。という考えで今は、赤ちゃんの時から治療しています。

そんな今では、濃くなっても、未治療でいた時よりは薄いあざの状態で、そんなに気にならずに青春を送れています。

 

だから、今現在、気になっているのならば治療する意義、甲斐があると思っています。

 

悩んでいるのならば治療する方が良いと思っています。

ミラドライはキズができないので、子供でも勧められる治療です。たとえ再発したとしても、100%元に戻るとは考えられません。

子供のワキガのミラドライ治療について、ボトックスなどのほかの治療と比較しつつ、次回解説します。

なかなかわかり辛いと思い長文になってしまいましたが、私の考えが伝われば幸甚です。

投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.15更新

”チチガ”とは、乳首が臭い人のことをいいます。

おっぱいからワキガと同じ臭いがするのです。

 

ワキガはアポクリンという汗の組織の働きが多いので、アポクリンのかく汗特有の臭いのする病気です。

日本では1割しかいないし、このにおいは、とても臭くて嫌われます。

 

このアポクリン腺は、脇のほか、乳輪、外陰部、外耳道(耳の穴)にあるので、ワキガの人は、チチガである可能性があります。

 

とはいっても、おっぱいからそんな臭いがすることはないとずっと思っていました。

ところが、

おっぱいがすごく臭かった女性と出会った経験がある人と話す機会があり、”チチガって本当にいるんだ”とチチガの存在に気を止めるようになりました。

 

とある日、ワキガも、すそワキガもミラドライで治療して、満足されていた患者さんから、”チチガで悩んでいます”と訴えられました。

この方も、最初からチチガだとは気づいていません。ワキガの治療をしたのに、なぜかまだ臭いがするので、よくよく調べてみるうちに、化繊のブラジャーに、あの、ワキガ特有のにおいが染み付いていたそうです。そこで、チチガに気付いたとのことでした。

 

チチガの原因は、乳輪にある乳輪腺(モンゴメリー腺)から出てくるアポクリンの汗です。乳輪から毛が生えている人もいますが、まさしくその毛穴から出てきます。

 

この臭いに気付かない方もたくさんいますが、パートナーから指摘されたり、パートナーの口からワキガ特有の臭いがして気付かれた方もいます。

 

この患者さんは、チチガの治療を何度か受けたが効果がなかったので、なんとかミラドライで治療してほしいと懇願されました。

 

この方の受けた治療は、”ビューホット”という、ミラドライとよく比較されているワキガの治療機です。原理は、フラクショナルRFという方式で、針先から電気を流して組織を焼く方法です。電気分解法と同じ仕組みなのですが、ビューホットは下の写真のように、一度に剣山のような36本の針を刺して、広範囲(3cmx3cm)に治療できる仕組みになっています。

 

形成外科59巻 増刊号より引用

形成外科59巻 増刊号より引用

 

3X3cmという大きさは乳輪に行うには大きすぎると思います。乳頭には刺さないと思いますので、乳輪の大きさが6cm以下の人では乳輪の外側の正常な皮膚にも刺さってしまいます。アポクリン腺が全くないところにも刺さって焼いてしまうので、乳輪ぐらいの大きさだったら、1本ずつ、電気分解法で焼いていくほうが、侵襲がなく、治療に適していると思います。

 

この患者さんの乳輪を診察して、傷だらけになっているのにとても驚きました。この患者さんは”ペアドライ”という”ビューホット”と”ウルセラ”を組み合わせた治療を2回お受けになったそうです。白く、色素が抜けているところがキズです。こんなにグサグサ刺されても、一向に良くならないばかりか、キズもできて悩みは倍増しています。

この患者さんは、ミラドライの効果を実感しているので、ミラドライの治療を切望されました。

 

ところで、ミラドライはワキの治療専用です。ワキ以外の部位に治療できるようにできていません。

しかし、私は、ワキ以外の部位にも治療してきて、何のトラブルもなく治療してきています。それだけにミラドライの治療に自信があります。一歩間違えればやけどが生じてしまうと思います。合併症がない治療なんて存在しません。でも、その合併症が生じないように努力するのが医師の義務です。

ですから、慎重に治療を始めました。

 

この患者さんの同意のもと、1照射だけ、ミラドライを乳輪にあててみました。いろいろ工夫して乳輪にもあてられるようにしています。

なんら問題なく治療できました。

問題なく治療できたことを確認して、乳輪全体にミラドライ治療を行いました。

治療後この患者さんはとても満足して喜ばれました。この患者さんの悩みが解消され、この上ない喜びです。

 

この結果をもとに、10名のモニターを募ったところ、すぐに募集人員に達し、予想以上にチチガでお悩みの方が多いことに気付きました。

そして、この10名にチチガのミラドライ治療を行いましたが、すべて問題なく、合併症も生じることなく改善しています。施術後の腫れも、ミラドライ治療のなかでは最も少ないです。これは予想以上に良い結果でしたが、皮膚が固いのと、アポクリン腺の数が少ないから腫れも、痛みも少なく、効果も出やすいのでしょう。

 

”ちちが”も安全確実にミラドライで治療できます。

 

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投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.12更新

ワキガはアポクリンという汗の組織の働きが多いので、アポクリンのかく汗特有の臭いのする病気です。

日本では1割しかいないし、このにおいは、とても臭くて嫌われます。

 

このアポクリン腺は、脇のほか、乳輪、外陰部、外耳道(耳の穴)にあるので、耳アカが湿っている人は、ほとんどがワキガです。

(理論的に考えると耳アカが湿っている人はわきがです。この件については、またの機会に解説します。)

 

ワキガでお悩みの方で、すそわきがも気にしている方がいます。

ワキガの人は外陰部にもアポクリン腺があるので、デリケートゾーンにもワキガ特有の臭いにおいがするので、これを”すそわきが”とか”すそが”などといいます。

デリケートゾーンにもワキガ特有の臭いにおい

 

私は”すそわきが”は気にしていなかったのですが、あるとき患者さんから、”すそわきがをミラドライで治療できますか?”と相談されました。

この患者さんは、すそわきがで大変悩まれていて、いろんな治療をしたけど効果がなかったので、ぜひともミラドライで治療してほしいと頼まれました。

 

ミラドライは極めて優れた治療器で、これほど完成度の高い治療器と出会ったことがありません。

汗の組織を安全かつ確実に、キズもできずに破壊できる治療器です。

だから、ワキガだけではなくて多汗症の治療もできます。

でも、”脇(腋窩)”の治療専用器なのです。

 

これが、デリケートゾーンという複雑な構造をしているところに使えるかどうか、いろんなところにミラドライをあてて実験してみました。

アポクリン腺は毛穴から分泌されますから、デリケートゾーンの毛が生えているところが治療する場所になります。

下腹部、恥骨部のいわゆるVソーンは平らなので簡単に当てられます。

でも、その下の、股の間、 ”I” ゾーンや ”O” ゾーンになると平らではないので、そのままではあてられません。

すそわきがでお悩みの方は、 ”I” ゾーンの臭いを一番気にしているので、 ”I” ゾーンの治療ができなくてはミラドライ治療の意味がありません。

試行錯誤を重ねるうちに、1つのアイデアが浮かび、”I” ゾーンも治療できることがわかり、モニターを募集して治療を行いました。

1回目の治療からうまく治療できて、患者さんにもとても喜ばれました。

”すそわきが”のミラドライ治療が完成しました。

 

それから、当院の治療メニューに、すそわきがのミラドライ治療を扱うようになりました。

すると、予想以上に反響があり、多くのすそわきがで悩まれている患者さんの治療をミラドライで行いました。

 

正直、こんなに多くの方が、すそわきがで悩んでらっしゃるなんて想像もしていませんでした。

そして多くのすそわきがの治療を行ってきましたが、一人だけ小さな毛嚢炎から炎症が生じた方がいましたが、それ以外は問題もなく治療できました。

効果についても、治療受けた方全員から効果を認めています。

この中には手術で効果がなかったり、ビューホット、ウルセラで効果が認められなかった患者さんもいます。

ミラドライほど効果的な治療はないと思っています。

 

でも、中には、施術後に強く腫れて困ってしまった患者さんがいました。

”I” ゾーン(大陰唇)は、皮膚が薄くて腫れやすい場所です。

子供で、自転車のサドルに強くぶつけて腫れて受診する子もいるぐらいです。

”O” ゾーンも腫れるかと思っていましたが、”O” ゾーンは皮膚が固いので、あまり腫れません。

 

すそわきがで悩んでらっしゃる方の、1番気にしてる部位が、”I” ゾーンの付け根のところです。

 

股を閉じたときにあわさっているところです。

 

”I” ゾーンの付け根

(黄色いマーカーで塗られた場所です)

ココだけのの治療だったら、腫れても、そんなに支障が出ないし、ここだけの治療でも治ると考え、”I” ゾーン限定の治療も行っています。

 

 

治療した場所はどうしても腫れてしまいます。

でも、デリケートゾーン全体に行うよりはるかに楽です。

ほとんどの方が1週間で気にならないレベルの腫れに落ち着いています。

 

”I” ゾーン限定の治療をお受けになった半数の方が、治療後100%満足されています。

残りの半数も、少し臭いが残っている方か、ほかの部位の臭いを気にされている方です。

 

デリケートゾーンのミラドライ治療は”I” ゾーンから行うことをお勧めします。

 

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投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.05更新

ミラドライはワキの治療専用器ですが、ワキ汗をかかなくなるので。ワキガだけでなく、腋窩多汗症にも効果があります。

ということは、アポクリン腺だけでなく、エクリン汗腺にも効果が認められるということです。

これは、前回のブログの記事、病理検査で証明できています。

ミラドライの治療でアポクリン腺とエクリン腺の両方の汗の組織が消滅していました。

 

ということは、エクリン汗腺の治療にも使えるのではないでしょうか?

エクリン汗腺の治療といっても、ピンとこないと思いますが、多汗症の治療ができるということです。

 

多汗症とは異常に汗をかいて日常生活に困る状態です。

運動して汗をかくというのは、とても生理的で、健康的なことなのです。

 

しかし、

運動しなくても汗をかくこともあります。

皆さんもご存知だと思いますが、手に汗握る状態です。

精神性発汗といいます。

緊張して、手汗がにじんだり、脇がじとっとした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

この汗のかきかたが半端なくて、本や、キーボードに汗が滴り落ちてしまう人もいます。

 

手の汗で日常生活に支障が生じている状態を手掌多汗症といいます。

この根本的な治療として、交感神経節ブロックという手術があります。

でも、手術には合併症がつきものです。

この手術を受けると、代償性発汗が生じます。

 

手掌多汗症の治療でT4神経節ブロックを受けた後の代償性発汗で悩んでこられた患者

 

手掌多汗症の治療でT4神経節ブロックを受けた後の代償性発汗で悩んでこられた患者さんです。

手汗はかかなくなったのですが、代償性発汗が尋常じゃなくて耐えられないということで相談に来られました。

背中の汗が特に気になるということだったので、発汗テストを行ってみました。

汗をかいているところが青紫色に染まるので、青紫色に染まっているところが汗をかいているところです。

 

神経節ブロックの効果はてきめんで、赤いラインを引いた第4胸椎レベルより上は全く汗をかいていません。

でも、代償性発汗のレベルもすごいです。

ここまで、すぐに青く染まったことはありません。

みるみる汗が滴り落ちるようにかいて、すぐに青紫色に染まりました。

手汗と代償性発汗とどっちを選ぶかというレベルのものですね。

こんなに代償性発汗って、汗をかくものかと、信じられないレベルで汗をかいてました。

 

この患者さんの悩みをミラドライで解決できるかどうか、患者さんの協力を得て試すことになりました。

 

ミラドライに精通している私は、背中の皮膚でも治療できると確信していました。

そうはいっても、背中に照射するのは初めてなので緊張します。

背中の皮膚は体中で一番厚いので、局所麻酔の注射を注入する部位に気を使います。

ミラドライの治療のキーポイントは、この注射の量と、注射液が入る層なのです。

ミラドライを照射2週間後に発汗テストを行ってみたところ

ミラドライを照射2週間後に発汗テストを行ってみたところ、みごとにミラドライを照射したところだけ汗をかかなくなっています。

背中のミラドライの多汗症治療に成功しました。

 

でも、これを、背中中に行うのは大変です。

現実的ではありません。

この患者さんもETS手術さえ受けなければ、こうならなかったのです。

手の多汗症にもミラドライができれば・・・・・

 

私は、手の多汗症にもミラドライ治療ができると考えています。

そこで、いつものように、自分で実験しようと、自分の手のひらで、発汗テストを行ってみました。

残念ながら、手掌、汗をかかず、実験を断念しました。

 

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投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.03更新

こんにちは、プレシャスクリニックの清水です。

私の治療経験からミラドライの治療効果を検証しています。

 

今回は病理検査をもとに治療効果について検証してみましょう。

 

私は実験的治療の目的もあったので、いろいろと条件を変えて治療を受けました。

左脇はレベル3、右脇はレベル5で1パスと2パスです。

 

左脇はレベル3、右脇はレベル5で1パスと2パス

 

傷が治って落ち着くのに3か月必要なので、治療して、3か月がたった時に、治療したところの皮膚を切り取って病理検査を行いました。

 

これは、治療した当時(平成27年)、多くのクリニックで行われていたレベル3(中間出力)で治療した左脇の皮膚です。

 

レベル3(中間出力)で治療した左脇の皮膚

色付け

 

ほとんど汗の細胞が残っています。

それに、汗の細胞の構造がまだ未熟なので、中途半端に焼けた組織が再生してきている状態だと考えられます。

よく、”施術直後は臭いも無くなって快適だったのに、3か月ごろから臭いがしだしました。”

という、治療体験をみますが、これはまさしくその状況でしょう!

”再発”とか、”効果がなかった”とかになるはずです。

 

それにくらべて

 

最高出力のレベル5、1パスで治療したところ

 

最高出力のレベル5、1パスで治療したところです。

まったくといっていいほど汗の細胞はなくなっていましたが、残念なことに1か所だけ、アポクリン腺の組織が見つかりました。

右脇のレベル5で2パス治療(繰り返し2回照射)したところ

 

これは。右脇のレベル5で2パス治療(繰り返し2回照射)したところです。

汗の細胞は見つけられませんでした。

 

完璧に治療できています。

 

やはり、最高出力のレベル5で行うと、とても効果的だというのがわかります。

 

では、1パス(1回照射)と2パス(2回繰り返し照射)の違いについて検証してみましょう。

 

レベル5で照射するとほとんどの汗腺と毛根が焼灼されます。

この病理組織から、ミラドライがうまく照射されたところは、汗腺のみならず毛根も焼灼されたことがわかります。

1パスで不完全だったところも2回目の照射で完全に焼けたと考えられます。

1パスと2パスの違いは、出力は同じなので、同じことが繰り返し行われただけです。

ミラドライの原理は電子レンジと同じなので、電子レンジでの調理と考えると、1回の調理では焼きムラが生じていたのを、もう一度調理することによって、焼きムラがなく調理できたと考えられます。

2パス治療を行うことによってやけどが生じてしまう危惧がありますが、これは、2パス治療を適切に行えば防ぐことができます。

1パスでも十分な治療効果が認めれれますが、より完璧を目指すのなら2パス治療ということになります。

 

投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀

2018.11.01更新

私はミラドライという治療器に大変興味を持ち、ミラドライの将来性を強く感じ、自分の体を使って実験しました。

私は自分の体を犠牲にして治療を受けるのだから、ごく当たり前の治療ではつまらないと思い、いろいろと治療条件を変えてミラドライを受けました。

そして、自分の体を犠牲にして皮膚を切り取って、病理検索も行いました。

病理組織ほど、治療結果を検証できる方法は他にありません。

学会で報告していても、病理結果があれば、それ以上の証拠がないので、だれもケチをつけてきません。

それほど病理組織というのは重大なものなのですが、皮膚を切り取らなければならないので、他人にお願いするわけにはいきません。

そこで、自分の体で証明することにしたのです。

 

では、その組織をお見せしましょう。

施術を受ける前のワキの皮膚

 

これは施術を受ける前の私のワキの皮膚です。

 

といっても何がなんだかわからないですよね?

 

図解

 

図解を入れてみました。

 

汗の細胞がとっても多いです。

しかも、アポクリン腺が・・・・・

 

わきの皮膚の特徴なのですが、このように、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2つの汗の細胞がとても多く存在しているのがワキガの人のワキの皮膚です。

わきがではない人はアポクリン汗腺がほとんどありません。

 

わきがではない人のワキの皮膚

 

これはわきがではない人のワキの皮膚です。

 

これだけじゃわからないですよね?

 

アポクリン汗腺

 

アポクリン汗腺は見当たらず、エクリン汗腺しかありません。

通常はこのように皮下脂肪組織の中にエクリン汗腺があるだけなのですが、私のワキの皮膚は皮下脂肪組織がほとんどなくて、その分アポクリン汗腺で満たされています。

 

わきがの人はこのようにアポクリン汗腺が多いのです。

投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀