ミラドライブログ

2018.11.15更新

”チチガ”とは、乳首が臭い人のことをいいます。

おっぱいからワキガと同じ臭いがするのです。

 

ワキガはアポクリンという汗の組織の働きが多いので、アポクリンのかく汗特有の臭いのする病気です。

日本では1割しかいないし、このにおいは、とても臭くて嫌われます。

 

このアポクリン腺は、脇のほか、乳輪、外陰部、外耳道(耳の穴)にあるので、ワキガの人は、チチガである可能性があります。

 

とはいっても、おっぱいからそんな臭いがすることはないとずっと思っていました。

ところが、

おっぱいがすごく臭かった女性と出会った経験がある人と話す機会があり、”チチガって本当にいるんだ”とチチガの存在に気を止めるようになりました。

 

とある日、ワキガも、すそワキガもミラドライで治療して、満足されていた患者さんから、”チチガで悩んでいます”と訴えられました。

この方も、最初からチチガだとは気づいていません。ワキガの治療をしたのに、なぜかまだ臭いがするので、よくよく調べてみるうちに、化繊のブラジャーに、あの、ワキガ特有のにおいが染み付いていたそうです。そこで、チチガに気付いたとのことでした。

 

チチガの原因は、乳輪にある乳輪腺(モンゴメリー腺)から出てくるアポクリンの汗です。乳輪から毛が生えている人もいますが、まさしくその毛穴から出てきます。

 

この臭いに気付かない方もたくさんいますが、パートナーから指摘されたり、パートナーの口からワキガ特有の臭いがして気付かれた方もいます。

 

この患者さんは、チチガの治療を何度か受けたが効果がなかったので、なんとかミラドライで治療してほしいと懇願されました。

 

この方の受けた治療は、”ビューホット”という、ミラドライとよく比較されているワキガの治療機です。原理は、フラクショナルRFという方式で、針先から電気を流して組織を焼く方法です。電気分解法と同じ仕組みなのですが、ビューホットは下の写真のように、一度に剣山のような36本の針を刺して、広範囲(3cmx3cm)に治療できる仕組みになっています。

 

形成外科59巻 増刊号より引用

形成外科59巻 増刊号より引用

 

3X3cmという大きさは乳輪に行うには大きすぎると思います。乳頭には刺さないと思いますので、乳輪の大きさが6cm以下の人では乳輪の外側の正常な皮膚にも刺さってしまいます。アポクリン腺が全くないところにも刺さって焼いてしまうので、乳輪ぐらいの大きさだったら、1本ずつ、電気分解法で焼いていくほうが、侵襲がなく、治療に適していると思います。

 

この患者さんの乳輪を診察して、傷だらけになっているのにとても驚きました。この患者さんは”ペアドライ”という”ビューホット”と”ウルセラ”を組み合わせた治療を2回お受けになったそうです。白く、色素が抜けているところがキズです。こんなにグサグサ刺されても、一向に良くならないばかりか、キズもできて悩みは倍増しています。

この患者さんは、ミラドライの効果を実感しているので、ミラドライの治療を切望されました。

 

ところで、ミラドライはワキの治療専用です。ワキ以外の部位に治療できるようにできていません。

しかし、私は、ワキ以外の部位にも治療してきて、何のトラブルもなく治療してきています。それだけにミラドライの治療に自信があります。一歩間違えればやけどが生じてしまうと思います。合併症がない治療なんて存在しません。でも、その合併症が生じないように努力するのが医師の義務です。

ですから、慎重に治療を始めました。

 

この患者さんの同意のもと、1照射だけ、ミラドライを乳輪にあててみました。いろいろ工夫して乳輪にもあてられるようにしています。

なんら問題なく治療できました。

問題なく治療できたことを確認して、乳輪全体にミラドライ治療を行いました。

治療後この患者さんはとても満足して喜ばれました。この患者さんの悩みが解消され、この上ない喜びです。

 

この結果をもとに、10名のモニターを募ったところ、すぐに募集人員に達し、予想以上にチチガでお悩みの方が多いことに気付きました。

そして、この10名にチチガのミラドライ治療を行いましたが、すべて問題なく、合併症も生じることなく改善しています。施術後の腫れも、ミラドライ治療のなかでは最も少ないです。これは予想以上に良い結果でしたが、皮膚が固いのと、アポクリン腺の数が少ないから腫れも、痛みも少なく、効果も出やすいのでしょう。

 

”ちちが”も安全確実にミラドライで治療できます。

 

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投稿者: 元昭和大学形成外科准教授・清水祐紀