ミラドライはワキの治療専用器ですが、ワキ汗をかかなくなるので。ワキガだけでなく、腋窩多汗症にも効果があります。
ということは、アポクリン腺だけでなく、エクリン汗腺にも効果が認められるということです。
これは、前回のブログの記事、病理検査で証明できています。
ミラドライの治療でアポクリン腺とエクリン腺の両方の汗の組織が消滅していました。
ということは、エクリン汗腺の治療にも使えるのではないでしょうか?
エクリン汗腺の治療といっても、ピンとこないと思いますが、多汗症の治療ができるということです。
多汗症とは異常に汗をかいて日常生活に困る状態です。
運動して汗をかくというのは、とても生理的で、健康的なことなのです。
しかし、
運動しなくても汗をかくこともあります。
皆さんもご存知だと思いますが、手に汗握る状態です。
精神性発汗といいます。
緊張して、手汗がにじんだり、脇がじとっとした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
この汗のかきかたが半端なくて、本や、キーボードに汗が滴り落ちてしまう人もいます。
手の汗で日常生活に支障が生じている状態を手掌多汗症といいます。
この根本的な治療として、交感神経節ブロックという手術があります。
でも、手術には合併症がつきものです。
この手術を受けると、代償性発汗が生じます。
手掌多汗症の治療でT4神経節ブロックを受けた後の代償性発汗で悩んでこられた患者さんです。
手汗はかかなくなったのですが、代償性発汗が尋常じゃなくて耐えられないということで相談に来られました。
背中の汗が特に気になるということだったので、発汗テストを行ってみました。
汗をかいているところが青紫色に染まるので、青紫色に染まっているところが汗をかいているところです。
神経節ブロックの効果はてきめんで、赤いラインを引いた第4胸椎レベルより上は全く汗をかいていません。
でも、代償性発汗のレベルもすごいです。
ここまで、すぐに青く染まったことはありません。
みるみる汗が滴り落ちるようにかいて、すぐに青紫色に染まりました。
手汗と代償性発汗とどっちを選ぶかというレベルのものですね。
こんなに代償性発汗って、汗をかくものかと、信じられないレベルで汗をかいてました。
この患者さんの悩みをミラドライで解決できるかどうか、患者さんの協力を得て試すことになりました。
ミラドライに精通している私は、背中の皮膚でも治療できると確信していました。
そうはいっても、背中に照射するのは初めてなので緊張します。
背中の皮膚は体中で一番厚いので、局所麻酔の注射を注入する部位に気を使います。
ミラドライの治療のキーポイントは、この注射の量と、注射液が入る層なのです。
ミラドライを照射2週間後に発汗テストを行ってみたところ、みごとにミラドライを照射したところだけ汗をかかなくなっています。
背中のミラドライの多汗症治療に成功しました。
でも、これを、背中中に行うのは大変です。
現実的ではありません。
この患者さんもETS手術さえ受けなければ、こうならなかったのです。
手の多汗症にもミラドライができれば・・・・・
私は、手の多汗症にもミラドライ治療ができると考えています。
そこで、いつものように、自分で実験しようと、自分の手のひらで、発汗テストを行ってみました。
残念ながら、手掌、汗をかかず、実験を断念しました。